- 2014年度第3回日本疫学会理事会 議事録
日時 |
2014年(平成26年)11月7日(金)13:30-16:40 |
場所 |
宇都宮市民プラザ 会議室2(うつのみや表参道スクエア5階)
〒320-0026宇都宮市馬場通り4丁目1-1
TEL 028-616-1540 (代表)
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出席者 |
(順不同、敬称略):磯博康、秋葉澄伯、萱場一則、川上憲人、黒沢洋一、津金昌一郎、玉腰暁子、中村好一、中山健夫、浜島信之、三浦克之、安村誠司、山縣然太朗、橋本修二、郡山千早、西信雄(祖父江友孝・代理)
委任状出席者:曽根博仁、田中恵太郎、辻一郎、新田裕史、溝上哲也、山口直人
JE編集委員会:(委員長)井上真奈美、(事務局)橋本勝美
学会事務局:(事務局長)今野弘規、(事務局)西野雅子
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理事会に先立ち、磯理事長より、委任状提出者を含めて理事・監事全員の出席により理事会が成立していることが確認された。
<協議事項>
1.2014年度第2回日本疫学会理事会議事録(案)について報告があり、承認された。
2.日本疫学会のCOI指針・細則
倫理問題検討委員会の安村委員長より、「疫学研究の利益相反(COI)に関する指針(案)」について、倫理問題検討委員会とCOI委員会の委員が実際に集まって検討したとの経過報告があった。「社会医学系4学会利益相反ポリシー(案)」について、各学会を拘束しない形で出せないか検討中であるとの報告があった。また、社会系4学会のほか、日本民族衛生学会と医療経済学会も加わることで承認された。
COI委員会の玉腰委員長より、倫理問題検討委員会、編集委員会と合同で、COI指針・細則について検討したこと、1月の疫学会のセミナーでCOIに関する研修を企画していることが報告された。COIの外部委員を近く依頼する方針である。
磯理事長より、疫学研究のCOIに関する指針・細則、スライド開示例(案)、役員などの自己申告書、およびそれぞれの英訳版が提示された。「企業・組織や団体」には、営利を目的としない法人・団体も入ること、日本医学会の文言をそのまま採用することが確認され、承認された。「スライド開示例」について、「下記のようです」を「下記の通りです」に変更する。「役員などのCOI自己申告書」について、初回の役員は前年度1年間ではなく3年間分、継続の役員は毎年1年間分の申告をすることで承認された。各申告事項の括弧内の記載部分(例; 1つの企業・団体からの報酬額が年間100万円以上のもの)を(□有・□無)の上部に移す。「申告事項5.パンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料」について、書籍・パンフレットとした方が良いか、印税も入るか、TV・ビデオ等への出演は「申告事項4. 企業や営利を目的とした企業や団体より、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)」に含まれるか、学会等の旅費はどこに入るか、などについて意見が交わされた。指針と自己申告書の文言が統一されていない部分があるが、内科学会のフォーマットを採用しており、このまま採用することで承認された。「B. 」の「すべて申告事項無し」に該当する場合、「下記項目の記入は」の後の言葉が抜けているので、「不要です。」等を追記する。COIの申告開始日は、本日付とすることで承認された。
3.日本疫学会一般社団法人化について
法人化準備委員会の西委員より、法人化のスケジュールについて報告があった。
定款第6条について、入会金は徴収しないので、第6条2と4の「入会金及び」は削除することで承認された。なお、過去の未納の会費を回収する場合は、入会金からでなく会費の追徴をしっかり行うことで対応することとした。定款第26条について、監事の任期は、理事と同様に2年とすることで承認された。細則について、編集委員の任期は現状通り3年のままにすること、編集委員の年齢制限は規定しないことで承認された。その他、法人化を決議する来年1月の会務総会に委任状は不要で、現在の会則の通り、「会務総会の決議は、会則の変更については出席した会員の3分の2以上、その他の案件に関しては過半数とする。」とすること、設立時社員は、磯先生(現理事長)と祖父江先生(法人化準備委員長)とすることについて承認された。定款第21条の「又はその子法人」は残しておくこと、第22条と第23条は職務権限となっているが、職務としなくてよいかについて意見が交わされたが、日本循環器病予防学会の定款でも職務権限となっており、変更無しとした。その他、何かある場合は、本理事会の議事録(案)を理事メールで送った際の修正意見の締切りまでに意見を出してもらうことになった。
4.選挙について
選挙規定検討委員会の川上委員長より、任期2年の選挙管理委員会の設置、代議員の選挙に現在の理事選挙の地域区分(ブロック)制を適用することについて報告があった。中国・四国ブロックは現状では理事1名になってしまうことから、1名のブロックを無くすために、九州・沖縄ブロックと合わせて3名にするという案も出たが、両ブロックは現行通り別にするということで合意された。欠員が生じた場合は、理事長が地域のバランスを考慮して指名理事を選ぶこととした。
代議員選挙は立候補制とし、選挙権、被選挙権は前年から入会し本年度会費を納入した正会員(2年以上の会員歴)とすること、12月31日までに満61歳になる者は被選挙権を失うこと、代議員は地域区分を移動しても、新たな地域区分において代議員を継続できることについて報告があった。
理事の選挙について、理事の総定数は20名、理事選挙は代議員が選挙権を有する、地域区分を変更した理事は理事の資格を失う、副理事長の選出については規定していないことについて報告があった。
理事長の選出方法について、理事候補が選出された段階で理事長候補の選挙を実施し、結果を参考にして社員総会直後の臨時理事会で理事長を互選による選出するとの申し合わせ案の報告があった。
細則について説明があった。理事には従来通り理事長指名理事を置くことで承認された。理事選挙も立候補制にするかについて議論があり、その方針で行うことが合意された。また、従来通り15名を選挙で選び、残りの5名を理事長が指名することとし(第3条の3 理事長指名理事を5名とすることを記載する)、欠員の場合は指名理事を増やす方針が承認された。
移行期の選挙スケジュールが理事長提案として示され承認された(通常期は移行期より2か月後ろにずれこむ)。来年1月の理事会で、移行期の選挙についての審議を予定している。
5.評議員の推薦
新規評議員として、有馬久富(滋賀医大アジア疫学研究センター)、伊藤秀美(愛知県がんセンター研究所)、松尾恵太郎(九州大学大学院)(順不同、敬称略)の3名が承認された。
6.その他 理事長からの提案
・国際化推進の目的でトラベルグラントの導入が提案され承認された。
・2017年の学術総会会長として山縣然太朗理事が承認された。
・来年1月の会務総会で定年の秋葉理事の後任として郡山千早先生が承認された。監事の郡山先生の後任として西信雄先生が承認された。
・選挙管理委員会の委員として林朝茂(大阪市立大学)委員長、嶽崎俊郎(鹿児島大学)、中山健夫(京都大学)、三浦克之(滋賀医科大学)、今野弘規(大阪大学)(順不同、敬称略)が承認された。
・代議員選挙に、各ブロックで多くの会員(特に評議員)が立候補するよう呼びかける必要があることが確認された。
・費用および事務作業軽減の目的で代議員選挙にオンライン投票を導入することが承認された。
・2015年1月に法人化が決定すると、12月1日から新しい会計年度になるので、会員の利便性向上と納入期限の設定が可能なことから、2015年度の会費請求にコンビニ払いを導入し、振込手数料を会員負担に変更すること、会費は普通会員8,250円、評議員11,000円(各11/12か月)とすることが承認された。
・JE冊子の発行が来年から7冊になることから、年間購読料を1冊分値上げし、会員700円×7冊=4,900円、 非会員3,100円×7冊=21,700円(各国内送料込み)とする提案がされ、非会員については消費税を加味して1冊3,200円とすることが承認された。
・過去のJE論文をPMCに登載するために来年度の科研費申請をし、会計規定を定めることが承認された(法人化後改訂が必要)。
・COI委員会の外部委員として岩田広治先生(愛知県がんセンター中央病院乳腺科部長兼副院長)に依頼することが承認された。
・禁煙推進学術ネットワークへの参加依頼を受けるか議論があり、受ける方針ではあるが、専任の委員会を作るだけの作業量が発生することが予想されることから、今後は先方からの提案事項毎に理事メール上で審議し、多数決で決める方針となった。
<報告事項>
1.学会事務局からの報告
1) 学会事務局活動
今野事務局長より、学会事務局活動についての資料が提示され、10月15日現在の収支計算書を元に収支報告が行われた。予算と比較して、収入では、会誌別刷代、ジャーナル掲載料の増加が大きかった。支出では、特に、会誌発行費、JE編集委員会費の増加が大きく、事務費の支出を少なく抑えることが出来ている。
2) 庶務報告
(1) 会員数(2014年11月1日現在)
名誉会員:29名 評議員:170名 普通会員:1,586名(合計:1,785名)
※普通会員のうち2014年入会学生会員:83名
(2) 年会費納入状況(2014年11月1日現在)
2014年度会費納入の義務がある会員:1,673名
2014年度までの会費納入完了者:1,446名(86%)
2年以上の滞納者:31名
(3) アンケート調査回答(日本学術協力財団、医歯薬出版、他合計8件)
(4) 後援名義使用依頼(第6回Epidemiological Research Training Course、「ヒューマン・ケア心の絆プロジェクト」、脳卒中学会総会「広島宣言」)
2.各種委員会等報告
1) Journal of Epidemiology 編集委員会
井上編集委員長より、以下の報告があった。
投稿数、掲載数がかなり増加しており、年6号を10号に増やし、発刊は合本にして年7回に抑える。IFに影響出る可能性ある。中国の論文は引用数が他より10倍位高い。
非会員向け掲載料を2015年1月1日投稿受付分から10,000円/ページに値上げする(現行7,500円)。
編集委員について、特に国際地域、母子保健、社会疫学分野を補充する目的で外国人5人、日本人6人を増員予定。
PubMed未収載の過去のJE論文をXMLにする費用がかかる。国際情報発信とデータベース作成のため科研費を申請する。
2) 統計利用促進委員会
山縣委員長より、医療科学・疫学データアーカイブ構築について、契約書が出来たので、理事長に確認後サインをもらい、先方に送付する予定であることが報告された。
3) 学術委員会
萱場委員長より、今年8月30に開催された日本疫学会サマーセミナー2014の概要、来年1月22日開催予定の学術総会学術委員会シンポジウムの概要、来年4月26日に日本循環器学会で日本疫学会ジョイントシンポジウムを行う予定であることについて報告があった。
4) 広報委員会
津金委員長より、ニュースレター44号の発行など、進捗状況についての報告があった。
中山委員より疫学の用語解説をホームページに載せる計画であること、若手からのスライドをコンテスト形式で募集する計画であることが報告された。
5) 国際交流委員会
浜島委員長より、20th IEA World Congress of Epidemiology(アンカレッジ)若手会員参加費補助事業の選考を行い9名に各10万円支給したが、最終的に6人への補助となったことが報告された。2015年21-23日の第25回日本疫学会学術総会時に開催する第8回日韓疫学セミナーの予定について報告があった。
6) 国際疫学会準備委員会
中村委員長より、IEA理事会の要請により、2017年8月19~22日開催に変更となったこと、8月に開催されたアンカレッジでの第20回WCE-IEAについて報告があった。
7) 疫学研究支援委員会
橋本委員長より、前回以降、特別に支援は行っていないとの報告があった。
8) 奨励賞選考委員会
山口委員長の代理で秋葉委員より、平成26年度奨励賞選考対象となった候補者および選考された候補者について報告があり、池田奈由(国立健康・栄養研究所
国際産学連携センター)、藤野善久(産業医科大学)(順不同、敬称略)が奨励賞受賞で承認された。
9) 名誉会員推薦・功労賞受賞者推薦担当
辻委員長の代理で橋本委員より、名誉会員に徳留信寛先生、簑輪眞澄先生が、功労賞に辻一郎先生が推薦されたことの報告があり、承認された。
3.第25回日本疫学会学術総会準備状況
浜島学会長より、一般演題数(262)、プログラムの概要について報告があった。
4.第26回日本疫学会学術総会の準備状況
黒沢次期学会長より、英語のセッションを設けること、ポスターと口演を行う予定であることが報告された。
5.全国公衆衛生関連学協会連絡協議会
秋葉世話人代表より、8月22日にワークショップ「子どもの健康リスクを考える」が開催されたことが報告された。